その日は何の日?
その日は、会社のテニス部の定例練習会の日であった。 明治神宮テニスクラブの室内コートを2面、6時から8時までの2時間借りておいた。 参加者は、14名でいつもより多い。 早目に行って練習しておこうと思った。
神宮の室内コートは、開場から午後3時まで、会員であればフリーで使用できる。 ただし、混んだ場合は、特に雨の日など45分交代制となる。 3時以降は、1時間単位の面貸しで、10時までオープンしている。 面貸しの手続きは、必ず会員が行わなければならない。 費用は、1時間1面5,000円。 ビジターは、別途一人当たり1時間2,000円が必要となる。 1面あたりの人数の目安は、8名以下となっている。
6時から、いつものように軽いランニングを行い、ストレッチングをした。 それから、二人づつ組んで乱打を30分くらい行った。 7時になると、14人すべてそろったので、ダブルスのゲームを行った。 私はいつも、パートナーとして、ビギナーに近い女性と組まされることが多い。 この日もそうであった。 この事件は、ゲームが始まってまもなく起こった。 自分としては、そんなに無理をして動き回ってる感じはなかった。
しかし、ネット際のボールを拾おうとして、ベースラインから駆け出した瞬間、 「ブチッ!」という音とともに、誰かに足を後ろから蹴られた感じがした。 もちろん、すぐに後ろを振り向いたが、そこには誰もいなかった。 とっさに、アキレス腱がいかれたな、と思った。
ベースライン付近からコート中央のベンチまでは、自分で歩いていけた。 強烈な痛みはないのだが、動かすと確かにアキレス腱付近に鈍痛が走った。 ベンチに仰向けになり、しばらくじっとしていた。 仲間がぱらぱらと寄ってきた。 事情を把握したらしく、仲間の一人が救急車を呼んでくれた。 こわごわアキレス腱付近を触ってみた。 明らかに右足に比べて軟らかであった。
写真は、神宮北コート(クレーコート)。 夜間照明が消えた後、自然の明かりで撮ったもの。 手ぶれ写真だが、アキレス腱を切ったときの心理状態を微妙に表していると思いませんか?
2003年3月13日撮影。