No.11 Conference

第11回 JTAコーチャーズカンファレンス(2001)

今回のカンファレンスの感想

今回の研修会のテーマは、一般テニス愛好者への指導方法についてということだったのだろうか。
日本のテニスを世界的なレベルへにするためには、まずその裾野を広げることが大切だ。 そのためには、一般のテニス愛好者を増やし、強化しなければならない。 それで今回の研修会がある、そういう考え方なのだろうか。
方針は間違っていないと思うが、具体化へのアプローチは少し違うような気がした。 トップアスリートを育てるには、他にもいろいろなアプローチがあると思う。

それはさておき、今回の私にとっての目玉は、2日目のポール・セダノさんの研修であった。
彼は、アランチャ・サンチェスの所属するテニスクラブのコーチで、直接彼女を指導しているそうだ。 そのポールさんが、実際にスペインのクラブでやっているドリルをオンコートで披露してくれた。
紹介してくれたドリルは基本的なもので、8種類の基本パターンであった。 どれも文字通り基本的なもので、これといって目新しさは感じなかった。
しかし感心したのは、この基本ドリルを、相手がサンチェスであれ、一般の生徒であれ 同じ内容で行っているということであった。 基本というのは、どのレベルのテニスプレーヤーにも大切なことで、 これを繰り返すことで体に覚えさせていくということであった。
技術的には、最近のパワーテニスを繁栄して、強いボールで押し込まれたことを 想定したドリルとなっている。 強いボールで押されたとしても、絶対に下がらずベースラインを維持しながら ボールを返し、チャンスをうかがう、ということを目的としているそうだ。

このドリルは、個人的には大変参考になった。 しかし、一般のテニスレベルではあまり役に立つ場面はないのではと思う。 というのは、日本人は西洋人に比較して力強さに欠け、強烈なストロークを武器にする人は少ない。 どちらかというと、コントロールとタイミングを重視する。 ドロップショットなど、勢いの無いボールをどう処理するかという課題のほうが多いのではと思った。

3月19日(月)

一般テニス愛好者向けレッスン
千野時晴 ニッケテニスドーム支配人

スポーツ障害について
渡辺幹彦 日本鋼管病院 整形外科医長

高齢者の体力科学PART.2
木村みさか 京都府立医科大学医療技術短期大学部教授

医科学に見た正しいトレーニング法
梅林 薫 大阪体育大学 助教授
中村寛孝 朝日生命久我山スポーツセンタートレーニング開発室長

グループディスカッション
1)高齢者の体力科学  村みかさ
2)一般テニス愛好者に対する指導方法 中嶋康博 千野時晴

3月20日(火)

日本男子テニス強化について
白石正三 ナショナルコーチ

強くなるためのテニスの技術指導
ポール・セダノ ナショナルコーチ