1-5 Conclusion

5.おわりに

情報化投資最適化請負人という仕事

私は、健康に関する仕事をしているわけではありません。日ごろは、情報化投資最適化請負人として、情報化投資の最適化することを仕事としています。情報化投資最適化請負人とは、私が作った造語で、私の会社である株式会社アーバーズの登録商標です。よく使われる言葉で表現すると、「ITコンサルタント」ということになるでしょうか。企業IT投資の健康状態を診断し、健康な状態(最適な状態)にしていくための支援や指南をすることを生業にしています。ITやコンピュータに関することは、すべて米国から来たもので、日本的なものがほとんどありません。日本には素晴らしいものがたくさんあり、それらものを元手にビジネスが成り立っています。私は、情報システム(IT)に関する仕事をしていますが、あえてカタカナやアルファベットを使わず、日本語を多用して仕事をしていきたいと思っています。自分のことを情報化投資最適化請負人と名乗っているのも、その米国的なものへの抵抗のひとつです。

ITコンサルタントと情報化投資最適化請負人の違い

ITコンサルタントは、よく医者と似ているといわれます。医者は、体の状態を診断し、改善に向けたアドバイスをしますが、改善に向けていっしょに二人三脚で支援をしてくれません。ITコンサルタントも、専門的な知識を駆使し企業の現状を調査分析して、改善に向けてのアドバイスをします。ほとんどのITコンサルタントはここまでです。改善に向けての活動を結果の出るまで支援してくれることははなはだまれです。かなりの確率で、結果が出る前にいなくなってしまいます。
情報化投資最適化請負人は、結果が出るまで、改善に向けて二人三脚で支援することを前提としています。そういう意味では、企業の現状を診断しますが、医者とは違うかもしれません。どちらかというと、コーチに近いと思います。

企業の情報システムの現状把握するに当たって、情報システムの健康診断を行います。わたしは、情報化投資現状俯瞰作業と呼んでいます。ちょっとめんどうくさいですが、ここまで本を読まれた方は少々お付き合いください。現状俯瞰作業では、情報システムやそれに関する業務内容を、業務機能関連図や現状俯瞰図などの絵に表現しています。健康状態を判断するとき、私はその絵の美しさを見ます。情報の流れやお金の流れがきれいかどうかを判断します。問題のあるところは、美しくありません。うまくいっている処理は、きれいです。これは「勘」によるところが多いと思います。たくさんの健康状態を見ていると、理屈ぬきで美しいものがうまく行っている、つまり健康な状態なのです。論理的に説明しようと思っても、理屈では説明できないことも多いのは事実です。

このように私は仕事上でも、自分の健康理論を多用しています。どうしていいかわからないときは、自然の流れに身をゆだねてみます。そうすることで、これからしなければならないことが、見えてくることがあります。論理的に考え、ある結論を導き出し、それを実行するより数段よい結果になることがあります。

皆さんも、この本から受けた印象を、ご自分の生活や仕事に生かしていただければと思います。最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました。