フリー<無料>からお金を生み出す新戦略/クリス・アンダーソン

最近、無料○○とか何々無料という見出しをよく目にする。特にインターネット上で。確かに、これまで有料であった新聞の記事や雑誌の文章が、一部ではあるが無料で読むことができる。文章だけでなく、インターネット上では、音楽や動画などデジタル化できるものは何でも無料で掲載されている。

文書や漫画、音楽や動画は知的財産である。作成者に何がしかの報酬が手渡される仕組みがないと、今後作成者のやる気がなくなってきて、モノを作ろうという人がいなくなるのではという不安があった。

この本は、350ページとちょっとボリュームがあるが、無料ビジネスの歴史や、デジタルと無料の関係、無料の経済学など、無料ビジネスに関することが広い範囲で書かれており、私の知りたかったこともほとんどこの本で事足りてしまった。デジタルでビジネスをしている方のみでなく、普通のビジネスをされている方も、この無料の仕組みを勉強し、自らのビジネスに生かしてみてはどうでしょうか。

以下は、個人的なメモ

<フリーの誕生>
=1904年強力なマーケティング手法が誕生=
レシピ本を無料で配ることで、当時まったくの無名であったゼラチンをヒット商品にした
安全かみそりを無料で配り、替え刃の需要を作った
=21世紀のフリー=
ほぼ1年でコストも価格も半額になり、コストはゼロに向かう

<潤沢な情報は無料になりたがる。希少な情報は効果になりたがる。>
限界費用の低いデジタル書籍は、限界費用の高い講演やコンサルティング業務のためのマーケティング手法となっている。

<無料のルール>
1.デジタルの世界は、遅かれ早かれ無料になる
-限界費用は年々ゼロに近づいている
2.アナログも無料になりたがるが、力強い足取りではない
-コアプロダクトを無料にし、他のものを売る
3.フリーは止まらない
-デジタルの世界では、法律や使用制限は役に立たない
4.フリーからもお金儲けはできる
・時間を節約するためにお金を払う人がいる
・リスクを下げるためにお金を払う人がいる
・自分の好きなものにお金を払う人がいる
・ステイタスにお金を払う人がいる
-フリーのまわりでお金を稼ぐ
5.市場を再評価する
-航空機の座席販売=>旅行ビジネスへシフト
6.ゼロにする
-真っ先に無料にする
7.遅かれ早かれフリーと競い合うことになる
-商品を無料にし、別のものを売る、差別化する
8.無駄を受入れよう
-希少さにもとつくビジネスモデルに固執しない
9.フリーは別のものの価値を高める
-あるものの潤沢さは別のものの希少さを生む
-昔:娯楽が希少で、時間が潤沢。今は逆。
10.希少なものではなく、潤沢なものを管理しよう
-資源が希少な世界=>厳しい管理
-資源が安い世界=>ゆるい管理

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