あらゆる領収書は経費で落とせる/大村大次郎

私の仕事は、「情報化投資最適化請負人」である。企業のITの現状を診断し、最適な状態へ導くお手伝いをさせてもらっている。一般のITコンサルタントとの違いは、膨大な量のアセスメント(報告書)を提出して終わりという仕事ではなく、最適化の結果の出るまで顧客と二人三脚でお手伝いするところだと思っている。

仕事上、よく使っている式がある。

「売上」-「経費」=「利益」

経済が向かい風で売上が計画通りに達成できない今の時代、経費を必要最小限に節約することで、最大の利益を生む施策を日々提案しているのが、私の仕事である。この話をしても、情報システムの人で話に乗ってくる人は少ない。たとえば、情報システム部の部長や担当役員でさえも、わざと私たちに無関心をよそっている場合もあるかもしれないが、無関心なことが多い。

この本は、「あらゆる領収書は経費で落とせる」という表題なので、ちょっと下是わな内容の本なのかなと想像させたが、内容は会計についての本である。会計のことを、私のように会計が専門でない人にもわかりやすく解説した本であると思う。

会計の大きな仕事のひとつは、計画な利益を出すこと「利益調整」だそうだ。初めて、知った。利益を出すためには、「収入を増やすこと」と「経費を減らすこと」の大きくふたつの方法がある。私たちが使っているものこの方法である。会計では、経費の中で、「福利厚生費」や「接待交際費」、「会議費」などを使って利益を大きくする仕分けをしているようだ。会計士の仕事って、そうなんだという感じであった。

われわれの仕事は、これから発生するコストをできるだけ少なくするということに全精力費やしているのだが、会計の場合は発生してしまったコストを使って「利益調整」をしているので、同じ領域なのだが根本的に違っているのだということがわかった。

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