バカで野蛮なアメリカ経済/藤井厳喜

私の職業は、「情報化投資最適化請負人」である。今風にいうと、ITコンサルタントということになるかもしれない。でも、このコンサルタントを名乗るのに、とても抵抗があった。

私は20年以上もコンピュータに関する仕事をしてきているので、過去にたくさんのコンサルタントと仕事をしてきた。でも、満足したことは一度もなかった。なんか煙に巻かれたような、そんななんとも後味の悪い結末で終わることが多かったのだ。

ITの発端がアメリカで、ITビジネス自体アメリカに牛耳られていることが、私がしっくり来ない原因のひとつではないかと思った。それで、すべてのアプローチをリセットし、伝統的な日本式のアプローチであったならばどのような対応になるかということをテーマに、IT業界に多い意味不明なカタカナやアルファベットの組合せを使うのをやめ、できるだけ平易な日本語で説明をすることに心がけることにした。これが、「情報化投資最適化請負人」を名乗っている理由である。

日本的なアプローチを構築する上で、敵を知る必要があった。その一環で読んだ本が、この「バカで野蛮なアメリカ経済」である。表題からは、経済学の本かなという印象であるが、第7章支配(ビッグデータと管理社会)のところで、フェイスブックとビックデータの関係など今後のITに関する課題について言及されている。

この本は、第二次境対戦が終わったころからのことから書かれているので、アメリカの近代歴史を知る上でもたいへん参考になる1冊であると思った。少なくとも、私はこの辺の知識が少ないので、とても参考になった。

ビッグデータ社会にどう対応するか
1.できるだけ賢くプライバシーを保護して行く行き方
適度にプライバシーを守るためのコンサルティング・サービスの可能性
2.完全なオフラインの方向を目指すこと

「日本文化の底力が試されていく時代でもあるのだ。」という言葉で、この本は閉められている。日本的なアプローチ、日本的なものの考え方が、高度にIT化された時代では、大きなビジネスチャンスを作り出す可能性のあることを実感した。

This entry was posted in All, 外国人, 経済. Bookmark the permalink.