東京は郊外から消えていく!/三浦展

「東京は便利になったが、つまらなくなった。」本文中で、三浦さんがおっしゃった言葉だ。

確かにそうだな。最近できたスカイツリーで有名なソラマチや渋谷のヒカリヘなど、行ってみたけど心ときめくことは少なかったように感じた。ちょっと前になるが、2006年10月に開業したらぽーと豊洲というショッピングセンターを中核に、石川島播磨(IHI)跡地に大規模な街が形成された。このころから、何だかワクワク感がなくなってきたように思う。

この本で訴えたいのは、都心部はさておいて、このままほって置くとベッドタウンとなっていた東京近郊の町が廃れてしまうよ、ということである。確かに私の知る限りにおいても、多摩センターや千葉の船橋周辺など、かつての日本企業を支えた世代が住んでいたマンションが、住人が少なくなって廃墟のようになっていると知り合いから聞いたことがある。

日本全体の人口も減っているし、わざわざ無理をして東京に出てこなくても地方でも仕事はあるのだろうから、この本を読んでますます東京の郊外は過疎になっていくような気がした。

家族のあり方や持ち家の考え方、地域コミュニティーとのかかわりなど、もういちど考え直してみる時期に来ているのではと思っている。大きく見ていくと地方自治や政治全体の問題になるかもしれないが、個々人の考え方を変化させることで、この危機を乗り切ることができるかもしれないのではと思っている。

欧米をまねた日本の持ち家政策によって引き起こされた弊害はたくさんあると思う。これは私個人の意見であるが、家は家族でひとつあればいいと思う。そこに大家族であろうが、みんなで住むのが大切だと思う。おじいちゃんおばあちゃんがいて、父母がいて、孫もいるような4世代家族が、これまでの日本の原風景ではなかったのだろうか。各家族化を起因とした問題は数多いように思う。

家族のあり方をもう一度見直すことで、これからの生活は変わってくるのではと思った。

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